はじめに
国外居住の扶養親族に対する扶養控除等扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除または障害者控除は、日本の税法において特定の条件を満たす場合に適用されます。以下に、扶養控除の適用基準、必要書類、最近の法改正について詳しく説明します。
扶養控除等の対象及び条件
国外居住の扶養親族が扶養控除の対象となるためには、以下の条件を満たす必要があります。
年齢要件
16歳以上30歳未満: 扶養控除の対象。
30歳以上70歳未満: 特定の条件（留学、障害者、38万円以上の送金）を満たす場合のみ対象。
70歳以上: 扶養控除の対象。
親族関係
扶養親族は、配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族である必要があります。
生計を一であること
扶養控除を受けるためには、申告者がその扶養親族に対して生活費や教育費を送金していることが求められます。具体的には、その年に38万円以上の送金が必要です。
必要書類
親族関係書類
次の(1)又は(2)のいずれかの書類で、国外居住親族が申告をする方の親族であることを証するものをいいます。
(1) 戸籍の附票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券（パスポート）の写し
(2) 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類（国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるもの。）具体例としては、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など（いずれも原本が必要）。外国語で作成されている場合は、日本語訳も必要です。
送金関係書類
次の書類で、申告をする方がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。
(1) 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により申告をする方から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
(2) いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭を申告をする方から受領した、又は受領することとなることを明らかにする書類
上記書類の具体例については以下のとおりです（いずれも原本又は写しが必要です。）。
外国送金依頼書の控え（その年において送金をしたもの。）
クレジットカードの利用明細書（申告をする方がクレジットカード発行会社と契約を締結し、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードで、その利用代金を居住者が支払うこととしているもの（いわゆる家族カード）に係る利用明細書をいいます。）
最近の法改正については、2023年（令和5年）から適用される新しい規定があります。この改正では、30歳以上70歳未満の国外居住親族については原則として扶養控除の対象から除外されます。ただし、以下の場合には例外として扶養控除が適用されます：①留学によって国内に住所及び居所を有しなくなった者、②障害者であること、③年間38万円以上の生活費または教育費を受け取っている者
国外居住親族の扶養控除に関するFAQ
- 非居住者の親族を扶養控除の対象にすることはできますか？
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はい、一定の条件を満たせば可能です。非居住者の親族が16歳以上であり、かつ、あなた（納税者）がその年の生活費または教育費として38万円以上を送金していることなどが条件となります。
- 扶養控除の対象となる親族の範囲はどこまでですか？
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6親等内の血族、配偶者、または3親等内の姻族が対象となります。
- 非居住者の親族を扶養控除等に含める際に必要な書類は何ですか？
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必要な書類は、親族の関係を証明する「親族関係書類」、送金事実を証明する「送金関係書類」などです。状況によっては、「留学ビザ等書類」や「38万円送金書類」が必要となる場合もあります。詳しくは、上記必要書類をご覧ください。
- 「送金関係書類」とは具体的にどのような書類ですか？
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金融機関が発行した送金に関する書類、クレジットカード発行会社が発行した利用明細書、電子決済手段等取引業者が発行した電子決済手段の移転に関する書類などが該当します。詳しくは、上記、送金関係書類をご覧ください。
- 送金関係書類は、すべての送金について提出する必要がありますか？
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同一の非居住者への送金が年3回以上ある場合は、一定の事項を記載した明細書と、その年最初と最後の送金関係書類を提出することで、その他の送金関係書類の提出を省略できます。ただし、省略した書類は保管しておく必要があります。また、３０歳以上７０歳未満の扶養者の場合は、合計額が３８万円以上になるように書類を準備する必要があります。
- 留学のために海外に滞在している親族は扶養控除の対象になりますか？
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留学により国内に住所および居所を有しなくなった30歳以上70歳未満の親族は、扶養控除の対象となります。「親族関係書類」と「留学ビザ等書類」を提出する必要があります。
