外国法人の消費税の納税義務等について

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外国法人が国内において事業を開始した場合の納税義務の免除の特例の見直し

外国法人の場合には、基準期間(1年事業年度の法人の場合には、原則前2事業年度)がある場合でも、基準期間の末日の翌日以後に国内で課税取引を開始する場合には、その課税期間の基準期間はない法人とみなして、判定するようになりました。

【適用開始時期】令和 6 年 10 月 1 日以後に開始する課税期間から適用されます。

つまり、以下のように整理して考えてよいと思います。

外国法人の消費税納税義務の考え方

資本金が1,000万円以上である外国法人

資本金が1,000万円以上である外国法人が日本国内で、消費税の課税取引を開始した場合には、その消費税の課税取引を開始した事業年度から日本の消費税の納税義務が発生します。

資本金が1,000万円未満である外国法人

下記、国外事業者の特定期間の判定の改正を踏まえ、消費税の納税義務を判定することになります。ただし、2023年10月より開始されたインボイス制度により、取引相手の仕入れ税額控除のため、消費税の適格請求書発行事業者登録番号を取得する場合には、消費税の納税義務が発生します。

まとめ

外国法人が、日本国内で消費税の課税取引を行う場合、取引相手等との関係を考慮し、インボイス制度による消費税の適格請求書事業者登録番号を取得するときは、資本金等にかかわらず、日本で事業を開始した事業年度より消費税の納税申告義務が生じる。

外国法人の消費税の納税義務が生じた場合の手続き

外国法人に消費税の納税義務が生じた場合には下記の様な手続きが必要となります。

  • 課税事業者届出書の提出
  • 消費税納税管理人の選定及び消費税納税管理人届出書の提出
  • 適格請求書発行事業者の登録申請書
  • 事業年度末から2月以内に、その事業年度の消費税の申告と納付が必要

国外事業者における「特定期間の課税売上高による納税義務の免除の特例」の見直し

基準期間における課税売上高が 1,000 万円以下であり、特定期間における課税売上高が1,000 万円以下と給与等支払額の合計額が1000万円以下のいずれかを満たした場合には、消費税の納税義務が免除されることとされています。

今回の改正により、国外事業者については、「特定期間」における 1,000 万円の判定を、給与等支払額の合計額により行うことはできないこととされました。給与等支払額の合計額という判定材料が、国外事業者については、判定材料から除外されました。

このため、国外事業者においては、特定期間における課税売上高が 1,000 万円を超える場合には、給与等支払額の合計額にかかわらず、消費税の納税義務は免除されないこととなります。

(注)特定期間とは、事業年度が1年である法人の場合には、原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間をいう。

【適用開始時期】令和 6 年 10 月 1 日以後に開始する課税期間から適用されます。

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この記事を書いた人

税理士 加来耕司です。

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